ペアガラスという言葉を皆さん聞いたことはおありでしょうか。
名前だけは聞いたことがあるけど…といった方。断熱効果があると聞くけれど…といった方。
確かにガラスというものは身近にありながら、その性質、種類に関して詳しく理解している方はごく少数でしょう。その為、交換や修理においてどうすればいいかわからず…ということに陥りがちです。
ですがご安心を!ガラスの専門業者がペアガラスについて、またその交換方法や相場について、徹底解説します!
目次
そもそもペアガラスとは?
ペアガラスとは、AGC旭硝子の登録商標であり、旭硝子から販売されている複層ガラスのみペアガラスに該当します。
しかし、「ペアガラス」が多く流通したことから、一般名詞として使われるようになり、複層ガラスをペアガラスと呼ぶことが多くなりました。
一般にペアガラスとは、2枚のガラス板の間に乾燥空気やガスを封入したガラスをいいます。
ペアガラスの特徴
- 高い断熱性による断熱効果
- 結露が発生しにくい
- 節電、節約などの省エネ効果
ペアガラスは、2枚のガラスで空気の層を挟んだ構造のため、冬の寒い空気を遮断し、夏の暑い空気を室内に入れにくくします。
また、室外からの熱を遮るため、エアコンの効率を高め、省エネ効果が期待できます。結露は室外と室内の温度差があることで発生するので、その発生を抑えることもできます。
ペアガラス交換・リフォームの種類
ペアガラスの交換・リフォームには次の3種類の方法があります。
ガラスだけ交換するリフォーム
ガラスのみ交換する方法は短時間の作業で工事費も安めです。交換用のガラスを用意して既存のサッシにはめ込むという作業になります。
複層ガラスの交換作業の中でもシンプルで低コストな部類に入りますが、得られる効果も少なめです。
なぜならたとえ断熱効果の高い複層ガラスに変更したとしてもサッシがそのままになってしまうからです。
日本の住宅のサッシはほとんどがアルミ製品を使っており、アルミは熱伝導率が高いため夏は暑く冬は冷たくなってしまいます。そのため複層ガラスに断熱性能があってもサッシが外気に影響してしまい、結果的に大きな断熱効果が得られなくなってしまいます。
サッシごと交換するリフォーム
サッシごと交換する場合は窓ガラスを含むサッシを窓枠から取り外して新たなサッシと窓ガラスを取り付けます。
交換するサッシに気密性の高い製品を選べば断熱・防音効果を飛躍的に向上させることが出来ます。
特に樹脂製のサッシはアルミに比べて熱伝導率が圧倒的に低いので窓を伝ってくる熱や冷たさ、騒音などの侵入を防いでくれます。
この方法の場合、既存のサッシと新しく取り付けるサッシの枠の大きさが異なるなど、外壁の補修工事が発生し、工事期間が長くなり、リフォーム費用も高くなることが多いです。
障子だけを交換するリフォーム
ガラスの周りにあるフレーム部分を障子といい、この障子部分だけをペアガラス付きのものと交換する方法です。
この場合、既存のサッシ枠はそのままでリフォームできるため、作業時間が短く、費用も安く済みます。
ペアガラス交換の費用相場
ペアガラスの交換費用の相場は以下の通りです。
-
ガラスだけ交換する
例)1830×915ミリメートルの窓の場合
商品価格:約50,000円
工事費用:約8,000円
合計:約58,000円 -
サッシごと交換する
例)1830×915ミリメートルの窓の場合
商品価格 :約50,000円
サッシ枠価格:約10,000円
工事費用 :約100,000円
合計:約160,000円 - 障子だけ交換する
例)1830×915ミリメートルの窓の場合
商品価格:約50,000円
障子価格:約3,000円
工事費用:約40,000円
合計:約100,000円
サッシごと交換する場合や障子だけ交換する場合には、それに伴って窓枠周辺の調整や補修工事が発生するため、比較的費用が高くなります。
補助金を利用してペアガラス交換費用をやすくできることも
窓ガラスのリフォームは国や都道府県、市町村といった自治体から補助金(助成金)を受けられるものがあります。
この制度を利用することで、窓やサッシの交換にかかる費用を安く抑えることが可能です。
ペアガラスは断熱性に優れており、省エネ効果もあるため、リフォーム費用を補助金でカバーできる可能性があります。
ペアガラス本体の価格相場
ペアガラス本体の価格相場は以下の通りです。
-
ペアガラス
90×90㎝の価格:10,000円~20,000円
90×180㎝の価格:18,000円~30,000円 -
Low-eペアガラス
90×90㎝の価格:22,000円~35,000円
90×180㎝の価格:35,000円~50,000円
価格は、ペアガラスの種類と大きさによって変わります。
Low-eガラスとは特殊加工された金属膜(Low-e膜)が貼られたペアガラスのことです。Low-e膜は0.1ミリ以下の薄さなので厚みや重さに影響を与えません。
色も透明色か、種類によっては若干色がある程度なので、窓から見える景色に支障をきたすことはありません。
Low-e膜は非常に高い断熱効果を発揮します。中空層が乾燥空気であったとしてもLow-eガラスが使用されている複層ガラスならば大幅に断熱効果を上昇させることが出来ます。
そのため、通常のペアガラスよりもLow-eペアガラスの方が価格相場が高くなっています。
ペアガラスの寿命
ペアガラスは、寿命は約10年から15年ほどで、長年使っていると劣化していき、いずれは十分な効果を発揮することができなくなります。
その劣化原因を作っている要素の1つとして「内部結露」というものがあり、これが発生し続けてしまうと複層ガラスの寿命と判断することが一般的です。
内部結露とは、複層ガラスのガラスとガラスの間に水滴がついてしまう現象です。
一般的にガラス間は封着剤などで密封されている状態になっています。さらに、これらの間には乾燥された空気やアルゴンガスを注入している状態なため、通常は結露が発生するものではありません。
したがって内部結露が発生しているということは、これらの状況に何かしらの不具合が出ているといえるでしょう。
例えば、グレージングやサッシ内に水が溜まっていると、それが太陽の熱で温まり、その温まった水が封着財に染み込むことで劣化を促進させます。
これによって封着剤の効果が発揮しづらくなり、湿り気のある空気がガラス内に侵入しそのまま結露して水滴となってしまうのです。
内部結露が発生すると断熱機能が低下してしまう傾向があり、複層ガラスの効果が薄れることがあるので交換が必要となります。
ペアガラスをDIYで修理・交換
二重窓やペアガラスをDIYで取り付けようと考える人もいるでしょう。
もちろん、普段からDIYによって家のメンテナンスを行っていて、DIYのハウツーを心得ているのであれば、ひとつの選択肢となるでしょう。ここでは、DIYで窓の設置工事を行う際のメリットとデメリットを解説します。
DIYのメリット
DIYによる設置工事のメリットは、経費を削減できることです。
二重窓やペアガラスの設置工事はいわゆるリフォームであり、人件費や経費が発生します。すべてを自分で行えば、人件費が発生することはありません。経費も自分で調達することにより大幅に削減できるでしょう。
DIY専用の商品などを用いれば、建物に手を加えることなく簡易的な工事が可能です。たとえば、内側からの二重窓にしたい場合は、窓枠に外部レールを両面テープで貼るだけで済むので、賃貸住宅であっても原状回復も比較的容易にできるでしょう。
またDIYは、職人さんなど知らない人が家に入ることに抵抗がある人にとっても、有効な選択肢となるでしょう。
DIYのデメリット
一方、DIYには安さなどのメリットを差し引いても、無視できないデメリットが存在します。
まず、DIYを行うには知識と工具が必要です。
DIYの経験が豊富で手慣れている人であれば、工具も所有しており、時間もお金も節約できるでしょう。しかし、DIYの経験が数少ないにもかかわらず、窓の設置工事を自分で行おうとする場合は、工具をそろえることから始まります。購入には当然お金がかかりますし、施工に関する勉強も必要になるでしょう。
仕上がりにおいても、サイズどおりに計測ができていないことによるズレが発生したり、取り付けがきちんとできなかったりと、問題が出てくることも少なくありません。
不完全な施工の結果、断熱や防音、結露防止といった二重窓やペアガラスの効果が実感できない可能性もあります。DIYで窓の設置工事を行う際には、さまざまなデメリットがあることも忘れてはなりません。
【DIY】ペアガラスを交換する手順
ペアガラスを交換するときは、作業用手袋を着用したり、作業スペースを十分に確保するなどして、怪我には十分気を付けてください。
また、うまく交換作業が進められない場合は、無理にガラスの入れ替えをせず業者に相談しましょう。
手順
- 窓枠の大きさに合うペアガラス(サッシ付き)を購入する
- 既存のガラスを一度上にもちあげるようにして、サッシの下部を窓枠から浮かせる
- サッシの下部を手前に引いてゆっくりとガラスを引き出す
- 新しいペアガラスのサッシの上部を窓枠にはめる
- 新しいペアガラスのサッシの下部を窓枠にはめる
- ガラスを開閉して異常がないかを確認する
ペアガラスの交換まとめ
ペアガラス交換の具体的な料金相場、ペアガラスの寿命についてご紹介しました。
ペアガラスは普通のフロートガラスと比べて割れにくいですが、もし割れてしまった場合にはできるだけ早く対処することが必要です。
ペアガラスが割れてしまうと本来の性能が十分に発揮できないので、ヒビが入った段階で交換を検討するべきでしょう。
また、本格的に窓の性能を向上させたいのであれば窓ガラスの交換だけでなく、内窓や窓そのものを交換するべきでしょう。
もし、交換の仕方がわからない、自信がない…そんな時は当社にご連絡ください!
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